2021/10/15 19:00

アイラ島フェスティバルの時期はホテルは大忙し、結局ボウモアとブルックラディ以外は休みは取れませんでした。
フェスの忙しさから解放されて、当時の日誌にも『やっと休みがとれて正気を取り戻す(酔っ払う)機会が与えられた』と記されていました。

そこで出かけたのがBunnahabhainです。アイラ島の北西、島の玄関口でもあるフェリーの港ポートアスケイグの北部にある蒸留所です。

ちなみにポートアスケイグの少し北にカリラ蒸留所があります。そして当時はなかったのですが、今はブナハーブンとの間にアードナホー蒸留所があるんですね。行ってみたいなぁぁ。
こう見るとジュラ島ってめちゃくちゃ近いですね。(右の陸地はジュラ蒸留所があるジュラ島です。)

ブナハーブンはキルホーマンと同様にバスの通ってない場所にありました。
同居人のクリスが自転車を自由に使っていいと言ってくれたので、お言葉に甘えてチャリンコを転がしていきました。天気のいい日でした。

ポートアスケイグのちょっと手前を中道に入り、ブナハーブンへの一本道。ちょっと手前に樽が置いてあります。
ブナハーブン蒸留所まであと1/2マイル。気持ちを高ぶらせるにくい演出ですね。

見えてきました!樽がいっぱい!
独自の船着き場がありますね。島の蒸留所が海沿いにある理由は流通の便も考えてのことなんですね。

近いてみるとさらに圧巻です。同じアイラ島の蒸留所だけでもキャラクターはそれぞれですね。後ろの山もすごく綺麗。

町中の蒸留所ではないので広々としててすごく重厚感のある建物ですね。
この門を入って右側、階段を上って入れる小さな部屋があります。ショップと試飲所と見学の受付がこの小さな空間だけ、ここら辺もだいぶボウモアとはキャラクターが違います。

桟橋から見ると全体像が見えます。海沿いの壁面には白地に黒でしっかりとBUNNAHABAIN DISTILLERYの文字が記されています。
これも船から見てわかりやすいためにという意味であるのでしょうが、蒸留所を象徴していてかっこいいですよね。

それでは蒸留所見学お願いします。
行ってびっくり、案内してくれた彼は週末だけうちのホテルでバーテンダーをしている人でした。アイラのやんちゃな兄ちゃんです。

まずは麦芽の粉砕機、モルトミルからです。麦芽(モルト)を糖化するために挽き割りして粉砕麦芽を作ります。
殻は糖化工程で濾過材として使用するため、細かくは粉砕せず中身だけを砕く程度にします。粉砕した麦芽をグリストと呼び、3段階の粒の大きさに分かれます。大きい順にハスク、グリッツ、フラワーと呼ばれ、これを2:7:1の割合にすることが理想とされています。

そして大きなマッシュタン(糖化槽)のある空間。

ウォッシュバック(発酵槽)は木桶。キルホーマンとは規模が違います。

職人さんが発行度合いを厳しくチェックしています。

出ました蒸留器!ねんきがはいってます。
ウォッシュスチル(初留釜)とローワインスチル(再留釜、スピリッツスチルともいう)が交互に2セットありました。

スピリッツセイフと制御盤、かっこいい!

スピリッツセイフと呼ばれる検度器では、蒸留で最初に流れ出るアルコール分の高い前留(フォアショッツまたはヘッズ)と蒸留の終りに近い後留(フェインツまたはテイルズ)を選り分けます。

と、これがブナハーブン蒸溜所の見学です。
行けば行くほど内容が分かってくるので面白くなってきますよね。是非是非少しでも疑似体験していただき、身近なところからお邪魔してみてください。

ショップから見た中庭。庭ではないですが、門の中の広場で飲んだりできるようにいろいろ置いてあります。
この建物がまたかわいいです。