2021/10/13 19:00
タイトルではアイラ島を釣るなんて言ってますが、そんな大袈裟なことではありません。m(_ _)m
アイラ島で伝統的に盛んなものと言えばウィスキーだけではなく、フライフィッシングもその一つですね。
フライフィッシングの聖地とも呼ばれることのあるこの地で、せっかくなら釣りも楽しもうと久しぶりにロッドを握りました。
職場であるブリッジェンドホテルの裏には森に続く小道があり、少し入ると可愛い橋の架かった川があります。
本当にのどかで空気もおいしいし、基本的に人っ子一人来ない場所なので私は仕事の休み時間によくここで過ごしました。
綺麗な水が流れているのですが、今写真で見てみても結構茶色いですね。これはブラックウォーターやブラックバーンと呼ばれ、汚れているわけではなく泥炭質の地層から流れ出る水はこのように染まるそうで、スコットランドではよく見る風景で場所によっては水道も茶色いところもあるのだとか。この『泥炭』、これがスモーキーなウィスキーに香りをつける『ピート』のことです。
そんな川を日々眺めているうちに、ガキの頃大好きだった釣りをここでやりたい!と思うようになりました。
島には大したショップもなく、高い竿も買えないのでネットで道具を集めたのですが、フライの道具は届くのが遅くなったのでまずはショップで買った安竿で海釣りから始めました。
現地でどんな釣り方や仕掛けが流行っているかはわかりませんでしたので見よう見まねで、仕事終わりにボウモアの防波堤に通いました。
職場には私のほかにもチェコ人のカップルが出稼ぎに来ていて、実はこの後ハウスシェアをすることになるのですがそれはおいといて、彼らが車を持っていたのでよく一緒にいろんなところに釣りに行きました。
いい景色ですね。たとえボウズだとしても、これが気持ちいいんです。
気持ちよく釣りを楽しんでいると、泳いでいたアザラシが顔を出しました。
スコットランドの田舎を旅歩いて、野生の動物と対面するのはわりと慣れてはいたのですが、さすがに釣りをしている足元にアザラシが現れると驚きますよね。でも可愛いです。
彼(たしかピーターだったか?名前忘れてごめん)は多趣味で冬はスキー、夏はサーフィンと、彼女と旅歩いて人生を楽しんでいました。
私は道具もないのでひとり浜辺で一杯と一服。これはこれで幸せなひと時です。
海行ったり、釣り行ったり、時にはカイト(凧)を楽しんだり、外人同士気が合ってウィスキーに熱を傾けれる以外の時間はよく共に過ごしました。
釣りに行くと言えばお弁当屋やおにぎりを持って行ったり、若い頃よく行っていたので、ピーターがジャパニーズライスボールを食べたことないと言っていたので、貴重な海苔を奮発してこの日はおにぎりを作って持って行ってあげました。
チェコ人がスコットランドでおにぎりを食べているさま。個人的にはツボな一枚です。
私より英語が達者だったので、領主さんと仲良くなったらしく、どういう経緯かわかりませんが船を借りたりもして釣りをしてました。
自分一人ではできない体験ばかりで本当に感謝です。
おにぎりのお返しにと、チェコの料理を振舞ってくれました。スコットランドではほしい食材が手に入らなかったみたいですが、ありものでダンプリングとチェコの庶民的なスープを作ってくれました。
いろんなところに釣りをしに行きましたが、結果から言うとフライフィッシングでは1匹も釣りあげることができませんでした。
やはり釣りは情報も大事で、釣れる時期やタイミング、合った仕掛けや釣り方なんてものがあります。そこら辺を教えてもらえるつながりがなかったのと、基本不定期な休みにポッと行くしかありませんでしたので、残念ですが仕方がありません。
私の父も釣り好きなのですが、どこから情報を手に入れてるのかすごくタイムリーにいろんな時期にいろんな場所でいろんな道具を使い様々な魚を釣ってきたので、いつも不思議に思っておりました。
そんなある日の海釣り、その日は灯台のような建物がある磯で釣りを楽しみました。
天候にも恵まれ、ただの観光にも気持ちいい場所でした。現に地元の家族も遊びに来てましたね。
そこで、
なんと!
ようやく1匹ゲットしました!!ドドンッ
見よう見まねのルアーフィッシング。もう半ば『やることに意義がある』くらいのつもりで、釣りというよりは風景と経験を楽しみに行っていたのですが。まさかのヒットでテンションも最高潮です!
この魚は何でしょう。やはりスコットランド。日本の魚とはなんか違う雰囲気を醸し出してます。
体つきや色で考えると、フィッシュアンドチップスにもよく使われるコッド(タラ)っぽいんですけど、顔はなんだかシーバス(スズキ)みたいですよね。
なにはともあれ記念すべき1匹目、大事に大事にいただきましょう。
お腹をさばいてみると、釣りあげる前に食べてまだ消化してない小さな魚が出てきました。食い意地が張ってたんですね。
何の魚かはわかりませんが、日本食に飢えていた私は、お腹壊すのも覚悟でとにかく活け造りにしました!
自分で苦労して釣ってきた魚を、釣りたてでお刺身に。それをアイラ島のウィスキーと一緒になんて最高じゃないですか。
生がダメな魚だとしても高濃度アルコールと一緒に摂取すれば問題ないはず!なんて無謀なことを思ったりして、美味しく頂きました。
後日談。
大きな魚だったので当日は半身だけをいただき、次の日半身を調理しようとしたときの話です。
その半身からニョロニョロ~っと!!寄生虫が出てきました!
逆サイド生で食べなくてよかったぁぁぁぁ。半か丁かの二択、ツイてましたねぇww