2021/10/06 17:00
今回はお酒は一休み、職場での料理のお話です。興味のない方は飛ばしてください。
スコットランドっぽい食材も扱っていましたが、ホテルなので郷土料理というよりはフレンチベースの料理でした。
まずはサーモンですね。一番最初に教わって、しょっちゅう作ってました。アイラ島はフライフィッシングの聖地でもあり、トラウトサーモンなんかもいっぱい釣った近所の人が持ってきてくれたりもしました。こちらは2種のスモークサーモンです。
ランチではオープンサンドなどでも提供していました。
この生のスモークサーモンは半身の状態から削ぐようにスライスしていくのですが、最後に皮が残ります。この皮は捨ててしまうのですがまだ若干身がついているので、いつももらって帰って家のオーブンで焼いていただいてました。美味しかった。しかし技術が上がってくるにつれて、わたしがやると身がほとんど残らず。。ちょっとジレンマでしたw
お次はベニスンです。ベニスンとは鹿肉のことですね。スコットランドは狩猟も盛んなので様々なジビエを扱ってました。
こちらはベニスンの燻製ですが、ランチでベニスンバーガーなどもよく作ってました。
そしてカモの燻製のサラダ。燻製はスコットランドでよく使われますね、しょっちゅう何かをスモークしていました。
ジビエとしてはあとグラウスなんかも扱っていました。あのフェイマスグラウスのグラウスです。日本語で言うと雷鳥です。
小さな鳥でウズラほどの大きさなんですが、アンモニア臭が強く処理が大変でしたね。
やはり島ですので魚介も多いですね。牡蠣はご紹介しましたが、ほかにも蟹や海老。
この海老はラングスティン、フランス語でラングスティーヌ、イタリアで言うスキャンピ、手長海老ですね。
蟹は常備していたのでサラダやサンドウィッチも美味しかったのですが、一番美味しかったのがこのクラブスフレです!
日本でいうところの茶碗蒸し的な感じなのですが、蟹がたっぷり入ってチーズと一緒に焼き上げます。
香ばしいチーズの香りとふわっとしてクリーミーなスフレが蟹の風味と相まって、すごくおいしいんです。
このほかにもスコットランドと言えばハギスや、ナツメヤシで造るデイツケーキなど、まだまだあるのですがきりがないのでこのくらいにしましょう。
ホテルの裏の風景。ここで一服したり、横にあるガーデンからハーブや野菜を取ってきて料理に使ったりしていました。
毎朝誰よりも早く職場に行き、パンを焼く仕事は任されていたので、みんなが来て仕込みをする前にパンを焼いていました。
パン作りも楽しくなってきて、いちどふざけてメロンパンを作ってあげたら喜んでいただけました。
実は賄いに大変悩まされました。日本で働いていたころは賄い作りは大好きで、いろいろなことを試しながら技術を磨き、直接意見を聞ける場所でしたし、何より美味しいものを作ってスタッフに喜んでもらえるのが何よりうれしかったのです。
しかし、こちらで試して、かなりへこまされました。基本的に余ったものや食材の切れ端などで経費をかけずに作るのが賄いなので、いろいろと工夫して作るのですが。スコットランド人は名のある王道の料理しか認めないという人が多いのか、創作して作るといくらおいしくても手も付けません。また、向こうの人は思った通りのことを口に出すので、普段仲のいいひとでも『は?なにこれ?こんななんだかわからないものは食べる気がしないわ』とか平気で言ってきます。結構グサッと刺さります。
そこで、パン生地を毎日作っていたので、ある日賄いが面倒くさくて適当に具材とチーズをのせてピザを作りました。するとこれが大絶賛!
『ピザだ!』
わかりやすいですね。正直パン生地で作ったので少し弾力がありすぎるし甘みも帯びているので私自身美味しいとは思わなかったのですが、、
『あなたはピザの天才ね。』
どうやら島民のお口にはあったようで、それ以来面倒な時はよくこれを作っていました。
番外編:おうち飯
シェフが食材管理があまり得意ではなく、食材がよく落ちる(賞味期限切れ)ので、もらって帰っていろんなものを家で作りました。
手作りパンとバンズのダブルチーズバーガー。いやぁぁ贅沢。
豚ロースとキャベツが余った時には日本を懐かしんでとんかつ定食なんかもつくりました。日本の味ホッとしますね。
というように料理を学び、楽しみつつ、お酒の勉強も楽しんでいました!